私の場合はシングル使用ということで倍の運賃を払うが、それは乗りたい一心のことで、シングルルームがあればもっと船旅をする人が増えると疑わない。外国船の場合、二人室をシングルで使う時の粋別料金として五〇パーセント割増しという規定があるが、それよりもはじめから一人室を作っておく方が乗る方も損した感じにならない。通常のホテルの宿泊と比べてみてもむりやり二人組ませるというのは営業上損だと思う。昔の輸送機関と
シングルルームは便利... の続きを読む
牛肉好きの京都人、祖父もその例外ではなく、齢八〇を超えてもなお、旨そうな牛肉には目がなかった。二、三〇年も前のことだが、当時、「三嶋亭」のすき焼き、「十二段家」のしゃぶしゃぶ、そして「スエヒロ」のステーキ。これが三傑と祖父から教わったが、今ならここに「はふう」が加わるだろうことは間違いない。開店からさはどの歴史はないものの、今やすっかり牛肉の名店として京都じゅうから支持を集めている。精肉店が母体ゆ
牛肉好きの京都人... の続きを読む
インサイドルームの面白いのはアカリを消すと昼でもまっ暗、昼寝のよくできること。終日雨の日があったので、この日は夕方までほとんど昼寝していた。時計を見ないとまったく時の経過がわからない。ただこの船にはテレビがあり定置カメラでリドデッキが映る。時々スイッチをつけると雨に濡れて人一人いない甲板が映っていて、インサイドキャビンにいながら外の様子がわかるので都合が良かった。大西洋横断の時はまだ円の安いころで
客船のインサイドルーム... の続きを読む
洛中の中心地から、この店を訪ねようとして、その道すがら、きっと誰もが不安を抱くに違いない。市中の繁華街でもなく、かといって有名観光地でもない、京都でも有数の高級住宅街の最奥に、まさかこんな名店が潜んでいようとは誰も思わないだろうから。門を潜り、広い庭を抜けて玄関を入ると、そこは、まがうかたなき大邸宅。店というより、個人の屋敷に招かれた風情。靴を脱ぎ、華麗なまでのリビングを横目に、庭を眺める座敷に通
音戸山山荘畑膳の紹介... の続きを読む
ホテルは、上に立つ人物の性格や嗜好によって大きく変わると言われている。ことに外資系ホテルで総支配人が交代すると、社内の雰囲気もがらりと変わるという話をよく聞く。いや、外資系ホテルでなくても、ホテル西洋銀座のような小さなホテルならば、なおさらのことだろう。したがって、ローズウッドから離れたホテル西洋銀座は、今後、支配人流のサービスに対する考え方が徐々に浸透していくに違いない。では、支配人は、スタッフ
目配り・気配り・心配り... の続きを読む